【動画紹介】ワールドシリーズを見て「野球がおかしくなる」ってこういうことかと思った話 / ドジャース vs ブルージェイズ 日本語試合ハイライト
前回の記事では、岡田さんのどんでん語録と野球哲学について投稿しましたが、そんな思いの流れで昨日、MLBの頂点を決めるワールドシリーズを観戦しました。その極限まで突き詰められた合理性と、アスリートの超人的なプレーに感動しつつも、同時に「あれ?なんかちょっと寂しいな」という、妙な違和感を覚えてしまいました。
「データ」という名の、緻密で無機質な采配
ワールドシリーズで目にするのは、アスリートたちの極限のプレーです。彼らの技術とフィジカルは、まさに人類の到達点であり、そのプレーの素晴らしさには息をのみます。そして、そのプレーを支えるのが、徹底的に突き詰められた「勝利の合理性」です。一球ごとのデータ分析、そしてすべてが「勝つための最も正しい答え」に従って動いているように見えました。
監督の采配も、もはや「指揮」というよりは、巨大な情報端末が出した「指令」を実行しているかのようです。その正確性には舌を巻きます。絶好調で投げている投手が、規定の球数や次の打順との相性だけで、あっさり代わられてしまう。ランナーが出たところで、迷わず代走や守備固めが起用され、選手の交代が細かく、頻繁に行われる。極限の合理性を追求した結果、勝利へのプロセスは非常に洗練されている。これは現代野球の素晴らしさの一つでしょう。でも、選手の「この流れを渡したくない!」という熱い気持ちや、監督が「ここはアイツに託す!」と腹を決める人間的な判断の余地が、どんどん少なくなっている気がしました。
しびれた!山本由伸のリリーフ登板という“人間的なドラマ”
そんな合理的で無機質な采配が続く中で、私が最も「しびれた」のは、山本由伸選手のリリーフ登板でした。先発からリリーフへフル回転で、チームの窮地でマウンドに上がった彼の姿は、データや合理性では測れない「人間的なドラマ」を放っていました。
一人の投手の、たった一球にすべてを賭ける緊張感。それは、勝利へのロジックを超えた、感情と感情のぶつかり合いでした。「人の間」や「流れ」といった、野球の本質的な熱さが凝縮されたようなあの瞬間こそ、私たちが野球を見て感動する理由ではないでしょうか。しかし、こうした「人間的判断」を伴うドラマは、データ野球が進むほどに、ますます希有なものになっていく気がしてなりません。
やはり警鐘だったのか、岡田さんのあの言葉
この違和感の正体が何だろうと考えていたとき、自然と頭に浮かんだのが、あの指揮官の言葉でした。
「こんなんしてたら、野球おかしなるよー」
ワールドシリーズの極めて合理的で洗練された光景を見た後だからこそ、この言葉が、単なるルーズさへの不満ではなく、「野球という競技の未来」に向けた警鐘だったんだ、と腑に落ちる自分がいました。
「データ通りには人は動かへん」「人の間を見なアカン」
岡田さんがぼやくように言っていた言葉は、技術やデータの上にある、選手の心構えや、監督が持つべき勝負勘だったのでは。人間的な感情と駆け引きがあってこそ、野球は面白くなることを皆さんに伝えたかったのでは、と改めて気づかされました。
野球ファンとして私たちが守るべきもの
とはいえ、MLBで進む合理化の流れは、日本の野球にも必ずやってくるでしょう。でも、データがどれだけ進化しても、野球という競技は、選手一人ひとりの「勝ちたい熱意」や、監督・コーチの「人を信じる気持ち」の上で成り立っている、、、はず。
私は、野球が「うまさを見せるというより空気を見せる」競技、全員に出番(打順) あるお遊戯的な優しさを持つ部分が好きでした。他の団体競技では、能力の高い人がすべてを支配しがちですが、野球には、そうではない「人の温かさ」がある。
私たちは、野球の何が楽しいか、何を楽しみに見ているのかを、もう一度見つめなおしたいですね。
【追記】 岡田顧問語録の前回の記事、こちらもぜひご覧ください。

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参照 Video Title
ドジャース vs ブルージェイズ 日本語試合ハイライト | Dodgers vs. Blue Jays World Series Game 7 Japanese Highlights参照 Video Description
ドジャース、球団史上初&21世紀初のWS連覇!MVP山本が胴上げ投手に、カーショウは有終の美を飾る!Highlights from Game 7 of the World Series between the Los Angeles Dodgers and the Toronto Blue Jays in Japanese.
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