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【語録紹介】日本シリーズ版どんでん岡田顧問×ムネリンとの不思議な掛け合いで昇華!

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ムネリンと松山選手という不思議な組み合わせの放送席で始まったこの夜の日本シリーズ。

序盤、なかなか点の取れない阪神打線に対して岡田さんが放ったのは、「フォアボールが取れないからつながらん」という、実にどんでんな一言。そして続けざまに「大山は今日は打席離れてるね、工夫してる」とも。気にかけているのはチームの柱であり、苦しんでいる5番打者。あの言葉には愛情がありました。批判ではなく、“気づき”を促す優しさのような響きがある。こういうところが岡田さんらしいですよね。

ピッチャーについての解説も冴えていました。ホークスから現役ドラフトで阪神にやってきた大竹投手の話になると、来たばかりの時に「なんでホークスで投げてなかったん、って聞いたら150km/h投げれないから投げさせてくれません言うてた」と懐かしむように笑い、「大竹はちゃんと自分の特徴をわかっている。彼だけスピードガンを見ない」と、まるで教え子を見るようなまなざしでした。さらに「大竹はコントロールがええという先入観できわどいところがストライクになるんよ」と。ファンから見れば淡々と投げているように見える大竹投手が、実はそういう“心理戦”の中で勝負していると知ると、見方が一段深まります。

一方のホークス・有原投手に対しても、「ストレート速なったな」「どんどんゾーンでストライクコースで投げてくるね、ホークスのピッチャーは」「有原は抑え方を知ってるよね」と、素直な評価を重ねていました。勝負相手でもしっかり認める。この距離感が、どんでん流の“野球愛”なんだと思います。

そして極めつけは、岡田さんらしい“野球の昔話”。盗塁の話題になったとき、「昔は走るチームはグランドカチカチにして、走られたくない時は水をたくさんまいてたよ」と笑い、「だから福岡ドームもカチカチにして内野安打ねろてたな」とムネリンに対して続ける。ムネリンもファンも思わず笑ってしまう、あの“間”がいい。

また、キャッチャー論も光っていました。「どこ投げても打たれるってキャッチャー言うて来たら、『真ん中投げたんか』っていうたよ。バッターは真ん中はどっちに打とうか迷うんよ」。野球ってこんなにシンプルで、でも奥深い。さらにブルペンの動きを見ながらのコメントも面白かった。「今の電話は(村上)肩大丈夫かとか、全然違うピッチングしてたから、交代の話しとは、ちゃう」と、アナウンサーの“交代か!?”のトーンをすぐに和らげるような安心感。現場を知っている人の余裕がありました。

そしてパーフェクトのピッチングを続ける状況で前川選手の代打の準備をしていた場面、坂本選手がゲッツーになり「前川の代打を出す構えをみせるなら、坂本選手にしっかりバントさせんと」と即座に展開を読む冷静なコメント。さらに信頼されていないと感じるかもしれない「大竹側のことを思うとね、複雑よね」と続けたあたりには、元監督としての視点と、人としての思いやりが滲んでいました。

こうして聞き返してみると、どんでん語録の一つひとつが、実はすべて“阪神の未来”を語っているようにも思えてきます。ムネリンとの軽妙な掛け合いも相まって、まるで硬派な漫才のようでしたね。

===続き===

試合が進むにつれ、引き分けが2回と3勝3敗になった場合の甲子園開催の話題に移ると、「そうなったら、西宮の運動会中止にせなあかん」とおどけたようにコメント。空気を一瞬で和ませた。勝敗を越えたところで“甲子園という場所”を背負う言葉、顧問だったんだな、と思い起こされます。

後半戦から延長に入っても冷静に解説を続けていた岡田顧問。マウンド上の村上頌樹投手を見つめながら、「リリーフで行っても出力上げるのうまくないからね、村上と伊藤将司は」と穏やかに心配の言葉を添えた。このあたりの“出力コントロール”を解説できるのは、現場を知る岡田さんならでは。ブルペンカーに乗った村上投手を見て、「初めて乗るやろうから、酔ったりせんかな」と笑いを交えるあたりも、あの人らしい“緊張ほぐし”の一言でしたね。

そして延長終盤、勝負どころで石井投手・村上投手が外角を投げ切って打たれた坂本捕手のリードに対しては、珍しく苦笑いを浮かべながら「結局、昨年の最後と一緒やもんね」とひと言。続けて「今年はインコース結構攻めての活躍だったのに、勝負所でこうやってアウトコースアウトコースで打たれた。考えなあかん」と、配球の必然と運命のような重なりを語った。野村勇選手の打球がライトスタンドに届いた瞬間には「あ、入った」と、まるでひとりごとのように呟いたその落胆の声が印象的でした。

試合後、岡田さんは最後に来季への課題を。「坂本のリード凄くいいってMVPで、でこれ俺何度も言うけど昨年のCSで宮﨑牧にアウトコースやられて、今年相当意識してシリーズはインコース攻めてたのに、最後の最後にアウトコースで…これ来年、後々に響くよね。一つ勝って四つ負けてるからね、印象が悪いんよ」と改めて淡々と振り返りながらも、“勝敗の先にある成長”を促すような語り口。ファンとしても、あの静かな声が妙に沁みました。

それにしても、この寒い甲子園で延長戦の解説。試合よりも岡田顧問の体調のほうが心配になるほどだったけれど、それでも最後まで独特の“どんでん節”は健在でした。あの声のトーンが消える瞬間、ほんの少しだけ寂しさがこみ上げた。
来季、またこの場所で——そう思わせる夜でした。

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東京と大阪を行き来しながら、毎試合をリアルに追う阪神ファン🐯 幼少期から30年以上タイガース一筋。2024年よりTora Logを運営中。 選手の魅力や語録を“ファンの目線と温度”で綴っています。
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