【語録紹介】昭和の情熱と阪神愛が炸裂!どんでん岡田×ミスタータイガース掛布のW解説が心に沁みる

阪神タイガースファンの皆さま、本日の解説はなんとも贅沢な組み合わせ、岡田彰布元監督と掛布雅之さんのW解説。あの黄色と黒の放送席から発せられる二人の声――とはいえ岡田さんはかなり声がかすれておられましたが、それでも響く「どんでん節」。甲子園にいなくても、テレビ越しにあのリビング感、満載でした。
試合前
まず試合前のトークショーで、岡田顧問は「危ない兆候」として現状のチーム状況をズバッと指摘。「7連敗しても負けても差が縮まらない。勝っても差が開かないっていうのはね、これ、えらいことなってきたなと思ってね」と、いきなり本音全開。さらに、「オールスターまで3.5差は変わらないですよ」と分析しながら、「普通にやれば80勝てるはずの阪神が、80いかないということは他のチームにもチャンスがあるってこと」とも。一瞬耳を疑うような厳しさですが、阪神愛ゆえの叱咤激励であることと信じたいです。
そんな中で掛布さんが「この9試合を5勝4敗、4勝5敗。これくらいで乗り切れれば大丈夫なんじゃない」とやや楽観的に語ると、岡田さんは「ずっとまだ続きますよ。だからあんまりしゃかりきになっていく必要はないと思う」と少しトーンダウン。岡田顧問は、時に熱く、時に妙に達観しているから不思議です。一方で掛布さんとのやり取りでは、バースさんの腹について「めっちゃ出てる」と盛り上がるお茶目な一面も垣間見えました。
先制の場面
ノーアウト一塁の場面では、「1点ずつ、確実に点取って行けばいい」「相手が嫌がってるんやから、あんまり奇襲はやらんでもね」との発言に、掛布さんも「地味だけど、こういう場面はバントでいい」と重ねることで、じわっと納得の空気に。それだけでなく中野選手自身の目線で、「首位打者狙うんだったらこのバントは大きいですよね、本人的に。率が下がらないんでね」「バントは打数にカウントされないから、打席数を消化できるのは中野的にはそりゃ有難いやろ。今、打率3割乗ってるのもバントが多いのは影響あると思う」と渋い指摘。
またサトテルのタイムリーの場面では ”打者より相手ピッチャーの配球を責める” パターンが出ました。「相手バッテリーの配球がな・・」と言い切るあたり、さすがです。味方選手をあまり褒めないところに、少し古い野球価値観がにじみ出ますが、それもまた味。「増田陸みたいなのが右打ち進塁打狙いにくるのありがたいで。是非やって欲しい…」と語る場面などは、岡田顧問らしい指摘でした。
また、才木投手の打席では「点にならんなら、打たんでええねん。余計なことはせんでええねん」と断言。この「余計なことすんな理論」は現代野球ではなかなかはっきり言えない世の中で、気持ちがいいです。
まだまだ続く
巨人中山選手の大飛球にも「これは超えたぞ」「ほぉ〜これが行かないか」、才木投手のピンチの場面「ここは渾身のストレートや」など、リビング観戦のような声も。極めつけは、大山選手に対するコメント。「大山は昔の田尾さん状態、上半身に筋肉つきすぎでインコース全部詰まる」「去年もウエート(トレ)をやるな、言うたんやけど。大きくなりすぎて、体が回っていない」とも。岡田さんは声がかすれていて、時折聞き取りづらい場面もありましたが、その分、掛布さんが柔らかくフォローし、二人の呼吸も抜群。意見がズレても、それぞれが自然体で受け流す感じが心地よく、視聴者としても肩の力を抜いて楽しめます。
===続き===
6回から動き始めた阪神ベンチの采配に対しては、「そんな慌てることないのに」と一言。2点リードの場面で、才木投手を早めに降板させたことについても、「6連戦の最初の先発だから、最低6回、普通は7回行ってほしい。完投能力があるんだから」とどんでん節が炸裂。夏場の苦しい戦いを見据えてこそ、「及川はボールがあんまり来てない。後半はきついかも分からん」と、疲労の蓄積にも目を向けるあたりが、やはり元監督らしい眼差しです。
そして、その采配の核心に鋭く切り込んだのが、湯浅投手と外野守備に関する話題でした。前川選手に代えて島田選手をレフトに入れた場面に、岡田さんは厳しくも真剣にこう語ります。「あそこで前川をかえると湯浅が打たれると思ってるみたいで湯浅に失礼。そういう事は絶対しなかった。コレは信頼関係ですよね。」と。まさに信頼で勝つ野球を体現してきた岡田顧問らしいコメントで、これには掛布さんも言葉少なにうなずくしかない場面でした。
もちろん、全否定ではないのが岡田節の真骨頂。若い監督に対する“親の目線”のようなあたたかさも感じさせながら、「次に前川に打席回ってくるのに。そんなに慌てることないのに」と、どこか静かな苦言に留める言い回し。また、大山選手の二塁打性の打球がシングルヒットになってしまった場面については、「クッションの跳ね返りいいんですよ、あの場所!ノイジーが何度もアウトにしとったでしょあそこ」と、守備位置と経験の妙を語る一幕も。ノイジー選手に対しては岡田さんらしい思い入れが滲み出ていて、こういうところに采配の記憶と愛着を感じずにはいられません。
石井大智投手の起用にも触れ、「抑える抑えないやなしに、もうちょっと楽なところではとは思います」と、無理使いを避けてほしいという思いをにじませながら、「平田と話したら石井は上げるありきの調整やったみたいっすねえ。2軍で1試合だけでしょ?怖さというかねぇ」と、舞台裏にも踏み込む発言は顧問としてもコメントでした。
采配は理屈通りにはいかないもの。それでも、岡田さんが積み重ねてきた勝負勘と信頼の哲学には、一つの確かな説得力を感じました。決して否定で終わらせず、その奥にある「阪神を思う気持ち」が伝わってくるからこそ、多少偏った意見でも耳を傾けたくなる。時代とずれている部分も否定はできませんが、それを含めてどんでん節は「昭和野球の声」として、令和の阪神に今も根を張り続けているのだと感じました。
#阪神タイガース #岡田彰布 #掛布雅之