阪神ショート補強の「今」と、外国人内野手がチームに与えてきたもの
外国人内野手がチームを変えた場面を、これまで何度も見てきた
オフになると補強の話題が増えてきて、特に外国人補強につい「来季の阪神はどうなるのかな」とつい考えてしまいます。そして、今回のようにショートやセカンドのところに外国人選手の名前が出てくると、昔に強烈なインパクトを残した助っ人内野手のことを思い出してしまいます。
まずはロバート・ローズです。
守りの大事な二塁手でありながら、打線の中心として圧倒的な存在感がありました。ローズが打席に入るだけで球場の空気が変わってしまうような、そんな特別な助っ人だったと思います。
ロッテや巨人でプレーしたクルーズも印象に残っています。守備がとても柔らかくて、内野が落ち着く雰囲気がありました。派手さはなくても「安心して見ていられる」タイプで、外国人が二遊間に入る難しさを乗り越えていた選手でした。
ラロッカは、とにかく打つことで価値を作る選手だった記憶です。広島・ヤクルト・オリックスと移籍しながら、どのチームでも中軸を任される強打者でしたよね。ラロッカが内野手で入ると、打線の重さが変わっていたように思います。
阪神ファンとしては、アンディ・シーツも忘れられません。ファーストにまわったあとは、派手ではないですが、守備も打撃も安定していて、岡田阪神をさりげなく支え、一塁手守備の大切さを教えてくれた選手でした。
オリックスのD.J.は、多少の粗さがあっても打撃で存在感を出すタイプでした。安定して試合に出続けて「外国人内野手はタフで安定している方が成功しやすい」と思わせてくれた選手だったと思います。
こうして見ていくと、外国人内野手がハマったときのチームへの影響は本当に大きいですよね。二遊間という難しいポジションでも、その1人で打線や守備の形が変わってしまうことがあります。
だからこそ、阪神に「新助っ人ショート候補」というニュースが出てくると、自然とこうした記憶がよみがえります。難しさと同時に成功したときのリターンの大きさを、私たちは知っているからです。
来季のタイガースのショート問題
今年の阪神は、5番までは強固で、投手陣は本当に頼りがいがありました。ただ、6〜7番の組み立てだけは最後まで課題として残った印象があります。小幡選手の守備は誰もが認めるレベルですし、木浪選手や熊谷選手の経験と粘りも貴重です。しかし、この二人の打撃が年間を通してどこまで積み上がるのか──ここが来季のポイントになってくると思います。
そんな中で名前が挙がっているのが、キャン・デバニー選手です。28歳の右打ちで、守備の動きが軽くてスムーズという話もあります。打撃もフォームがまとまっているので、日本の投手に慣れてきたら面白い存在になるかもしれません。
もちろん、甲子園の土は外国人ショートにとって簡単ではないと思います。最初から万能にこなせるとは言い切れませんが、もしハマった時のことを考えると、やっぱり「6〜7番の厚みが一気に変わるのでは」と期待してしまいます。
デバニー選手が来るのかどうか、そして来た場合に本当にフィットするのか。
まだ何も決まっていない今だからこそ、この“想像している時間”が一番楽しいのかもしれません。




